Cocco Lifestyle blog

日々の「実験」について書いてます。

「加速度の計算問題。ただし摩擦の要因を除く」をアナロジーとして問題解決能力の発達について考えてみる

中学時代だったか高校時代だったか忘れましたが、加速度のテスト問題が出たときに、「ただし摩擦の要因は考えないこととする」的な一文が載っていてずっと気になっていました。

 

加速度の計算はこんな感じです。

 

www.studyplus.jp

hooktail.sub.jp

 

考えなければならない要因が沢山あるので、そこそこ難しいと思います。

 

で、斜面の上から物体を滑らせて落とした場合、加速度がつくのは分かりますが、斜面と物体がくっついている部分に摩擦が起きてすべりにくくなりそうだな、というのも、日常経験から推測がつきます。

 

現実場面で斜面の上から物体が滑って落ちるときは、必ず摩擦の要因が働きますので無視することはできません。

摩擦以外の空気抵抗その他の要因も考える必要があるでしょうし。

斜面と物体の性質についても考える必要があるでしょう。

 

www.wakariyasui.sakura.ne.jp

 

加速度の計算を学んでいるときに、摩擦の要因を入れ込んでしまうと、恐ろしいほどに要因が増えるし計算もややこしくなるのだろうと推測されるので、「摩擦の要因は除く」という一文が入るんだろうと思います。

 

おそらく高校までの学習ではこんな感じで、現実には働いているはずの要因を「なかったこと」にして、個別の法則について学んでいくことが大切なんだと思います。

 

 

一方で、社会に出て働き始めたときに要求されるのは、摩擦の要因をどうやって解決していくのか、という点です。

 

たとえば、製品のコンペがあったとして、ライバル社が2つあったとする。

ライバル社を押しのけて自社の製品を選んでもらうにはどうしたらいいか。

もちろん、自社製品のクオリティを高めていくのが一番かもしれませんが、それだけで選ばれるわけではない。

価格、顧客のニーズ、ライバル社の動向、社会の動向・・・・一般的に考えても結構出てきますが、場面に特殊な要因も沢山あります。

それらの要因は取り除けるものもありますが、取り除けないものもありますし、すべての要因を解決できるわけではない。

 

とすると、実際にやらなければならないのは、どの要因を選んでどの要因を捨てるのかを決めること、捨てる要因でも全部無視できるものとそうでないものがあるので、無視できないものの影響をどうやって排除していくのかを考える。 

 

たとえば、価格をめっちゃ下げて後は考えないことにするか、ライバル社にはない機能を付加することで選んでアピールするか。

 

そんな感じじゃないかと思います。

 

加速度の計算問題とコンペの問題とを対応させると、

 

加速度-価格、付加機能

摩擦-それ以外の要因

 

そんな感じになっていると思います。

 

なので、高校時代までは摩擦の要因(二次変数という言い方もあります)は考えなくていいけれども、社会に出たら二次変数の扱い方のセンスが仕事の出来不出来に現れる、ということになっているのではないかと思いました。

 

 

では、大学では何を学べばいいのか。

 

上の例でいくと、

 

摩擦の要因の扱い方を学ぶ

 

ということになるのではないかと思います。

 

 

摩擦の要因は、もちろん、その学生の専門分野や生活の在り方によって違ってくるし、状況によっても出てくるもの違うので、出たとこ勝負で摩擦の要因に対応していく力も求められるでしょう。

 

大学レベルで摩擦の要因の扱い方を学んでから社会に出て、実際にその業種や企業に合わせた解決ができるようになるのは、直感的には5年くらいやった後ではないかという気がします。

 

22歳で大学を卒業して社会に出たとして、20代後半くらいの話ですね。

そのあたりで「仕事を任せられる」レベルに育ったことになるのではないかと思います。

 

大学も丁寧に教える方向へ行っており、逆に言うと、学生の予定がピチピチに詰まっているということでもあるので、予想のつかない摩擦の要因はできるだけ排除したいところです。

なぜかというと、学生個人の資質だけの問題ではなくて、他の科目との兼ね合いやアルバイトの有無(学生が自分で生計を立てている可能性も常に考えておく必要がある)のような別要因(これもある意味摩擦の要因ではある)も常に働いていて、別要因との絡みによっては、単位を出せなくなったり、肉体やメンタルの調子を崩したりすることもあり得るわけです。

 

しかし、きれいさっぱり摩擦の要因を排除してしまうと、社会に出ても仕事を続けられない人を量産してしまう可能性も考えていて、2018年度は人為的に「摩擦の要因を入れてみる」というのをやってみた年でした。

 

2018年度もそろそろ終わりに近づいてきて、人為的に摩擦を入れる試みは個人的には結構面白かったです。

二次変数が入ったときに混乱してしまうとか、途中聞いていなくて沈没しそうな学生はちょっと多かったかなという感じはします。

 

混乱してしまったときの対処(するのかしないのかも含めて)はもうちょっと考える必要があるかなと思いますが、

もうちょっと精査してメソッド化できると面白いのかもしれないと思ったりもします。

 

1クラスの人数にもよるんですが。