Cocco Lifestyle blog

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東京医大の入試不正から派生した女性医師の働き方に関係するサイトのリンク

 昨日関連記事をリンクしてから、なんかまたモヤモヤしていたので、いろんな記事を検索していました。

 

その中で残しておこうと思った記事をリンクしておきたいと思います。

 

というか、リンクだけのつもりがめっちゃ書いてしましました。

 

素人なので、こういう理解でいいのかはちょっと分かりませんが、医療現場の現状と女性医師および医師をめざす女子学生(入試含む)に対する差別についてほんのちょっと理解できたような気はします。

 

今回の件に直接関連する記事

 

東京女子医科大学医学部長、同大学放射線腫瘍学講座教授の唐澤久美子氏のインタビュー記事。

 

www.buzzfeed.com

 

産婦人科医の宋美玄氏の記事。

 

www.buzzfeed.com

 

この2つの記事を読んでいると、

 

  • もともと医師の間には女性蔑視の風潮がありそれが今なお続いている
  • 医師は男女関係なくギリギリまで働いている

 

ことが分かります。

 

勝間和代さんの記事にリンクされていた記事

東京医科大学の入試における女性差別と関連事実 ― 今政府は何をすべきか

 

内容については、

 

入試で点数加算をする属性としない属性に分けるのは憲法違反

 

まず、この種の女性差別が決してあってはならないことで、憲法14条第1項で

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。

とし、またそれを受ける形で教育基本法4条において

(教育の機会均等) すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。

と記されていることに明確に違反する。

 

また、

 

しかし、今回の東京医大のケースについて8月2日の朝日新聞記事は文部省の担当者の談話として「入試の応募要項に男女比の調整を明記していれば、大学の責任で実施できる。東京医大がそうした説明をしないまま調整していたなら問題だ」と述べたと報告している。また、この「担当者」の言を裏打ちするかのように林文部科学大臣も「募集要項にも示されずに、適切な目的なく、不当に女子が差別されているような入学者選抜があるとすれば、文部科学省としては認められない」と述べたという。「募集要項」に記述があり、「目的が適切」なら良いととれる考えだが、極めて曖昧な表現である。例えば女性合格者を3割に抑えるために「男女別の合格者数を調整すること」や「男女別に異なる定員をもうけること」などの旨を募集要項に書けば「適切」となるのか否かが明確でないからである。もしそのような目的が「適切」とされるなら、筆者には「女性差別は陰でこそこそやらず、表で堂々とやれ」と差別を奨励することになると思える。政府はこの点自らの見解を憲法教育基本法との関係においてまず明らかにすべきである。

 

あと、

 

医師の女性割合の低さは主として国家試験受験者の女性割合の低いせいで女性医師の離職率の高さのせいではない

 

に関して。

 

医師の国家試験の合格者の女性割合はここ15年ほどは30%だそうです。

つまり、女性医師が少ないのは、もともとの数が少ないからなのであって、離職率の問題ではないことが指摘されています。

リンク先の記事では、男女別の就業率のグラフが載っていますが、男性医師と女性医師の就業率はそれほど変わりないということが読み取れます。

 

女性医師の就業率は、結婚子育ての時期は若干減るM字カーブですが、そのときの男性医師と女性医師の就業率の差は10%程度、25~60歳の平均を比べると7%程度の差になるのだそうです。

 

ただし、このグラフはおそらくは週当たりの就業日数や就業時間については考慮されていない可能性があったりしないかな?

というのを思ったりします。

いろいろ記事を見ていると、女性医師は長時間勤務ができないから忌避されるという側面があるようで、その部分についてはなんともいえないのかなという気がします。

ただ、医師の長時間勤務は男性であってもちょっと異常ではないかな・・・・と思う時間数が載っていたりするので、「長時間勤務」を前提にする医師の労働環境の問題であって、女性医師の問題ではないという気がします。

 

 

医師不足について

 

なぜ医師が長時間勤務にならざるを得ないのか?というと、医師が不足しているからということと平成16年にスタートした新しい医師臨床研修制度で地方の病院に医師が回ってこなくなったということがありそうです。

 

 

医師不足 - Wikipedia

 

2006年のデータが表になっています。日本とOECD上位国とを比較すると、

 

人口1000人当たりのベッド数は日本とOECD上位国ともに14.0、平均入院日数はともに34.7で同じ。

しかし、人口1000人あたりの医師数は、日本が2.0なのに対してOECD上位国では4.9と2.5倍近い差があります。

さらに、1000病床数あたりの医師の数は日本が14.9、OECD上位国が109.6と7.5倍近い差に広がります。日本の場合は医師ひとりあたり67病床という数になります。

 

1982年には、1948年の基準値に基づいて、医師抑制策が打ち出されました。

 

現在に続く流れとしては、

 

医療費抑制政策に転換以降、厚生労働省は長らく、1948年の医師数算定法に定められた「標準医師数」に基づき「医師過剰」を報告し続け、2006年までは「医師不足はなく、偏在しているだけである」という見解を守り通していた[10]。しかし、2003年からの新臨床研修医制度の影響などもあって、地域医療の崩壊(医療崩壊)が現実化するなかで、現場の勤務医の訴えが国民の耳に届くようになり、日本医師会も2007年2月になって「医療提供体制の国際比較」を発表し、「日医は偏在が医師不足の主たる原因であると言ってきたが、それに加え、絶対数も十分ではないことがわかった」[11]として、それまでの方針を転換。厚労省高官もまた2007年に入ると医師の絶対数の不足について言及するようになった[12]。そして、ついに、2008年6月、舛添要一厚労相のもと「安心と希望の医療確保ビジョン」が打ち出され、「医学部定員削減」閣議決定の見直しとともに、医師養成数の増加の流れが確かなものとなった。

 

研修医制度について

 

研修医制度の変遷-厚労省のPDF

研修医制度はこれまで変遷を経てきたらしいです。

医師不足に直接つながっているのは平成16年に始まった卒後2年の臨床研修です。

この制度は、大学6年の時期に学生自身があちこち見学に行ったりして、研修する病院の希望が出せるもののようです。

その結果どうなったかというと、

 

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画像は上記PDFからキャプチャしました。

 

医師不足の問題としては、3番ですね。

地方に医師が行き渡らなくなった。

 

 

それから、診療科ごとのアンバランスみたいなものもかなり生じているようですね。

その代表的な出来事が、一番上でリンクした宋美玄氏の記事に書かれていた福島での事件ですね。

 

宋美玄氏の記事から引用します。

大野病院事件で問題となった産婦人科医の過重労働と医療崩壊

10年以上前、「福島県大野病院事件」の頃から、産婦人科医の過重労働と医療崩壊が問題になりました。

大野病院事件とは、常勤医が一人という厳しい勤務体制で帝王切開手術をしたところ、避けられなかった大量出血で産婦が死亡し、医師が逮捕されたという事件です。

ギリギリの体制でお産を担っている全国の産婦人科医は衝撃を受け、産婦人科から離れたり、産婦人科を志望する学生が減ったりして、医療崩壊が進みました。

産科は当直という名の夜間勤務を誰かが担わなければ成立しない診療科です。

研修半ば、もしくは研修を終えて一人前になった女医たちが、出産や育児を経て当直回数を減らしたことは、他の医師の過重労働の原因の一端になりました。

しかし、当時、「立ち去り型サボタージュ」と呼ばれていた通り、多数の男性医師が他科に転科したり、医局人事を抜けて開業したり、実家に戻ったり、開業医に就職したりして、分娩を担う病院の当直要員から抜けて行った影響も非常に大きかったのです。

 

 

 研修医の状況について

 

toyokeizai.net

4ページ目をリンクしています。

 

研修医がうつやバーンアウト(燃え尽き)になりやすいというのは、医療業界ではよく知られたことです。

岐阜大学大学院医学系研究科産業衛生学分野の2009年に発表された「1年目研修医のバーンアウトと職業性ストレスおよび対処特性の関係」によると、1年目の研修医に対して研修開始後約2カ月時点のバーンアウト発生状況を調査したところ、「バーンアウトに陥っている状態」または「臨床的にうつ状態」と判定された研修医の割合は、男性で26.0%、女性で36.6%となり、平均して約3割の研修医がバーンアウトうつ状態であることがわかりました。

 

 研修医の状況は過酷を極めることが分かります。

 

思ったこと

医療現場の問題点は、最初に戻りますが、

 

  • もともと医師の間には女性蔑視の風潮がありそれが今なお続いている
  • 医師は男女関係なくギリギリまで働いている

が大きいなというのを感じました。

 

研修医を含めた医師の労働時間は長く過酷で、問題されているにも関わらず、それを変えるだけの余裕がないのだというのも感じました。

そうなってしまった原因はおそらくたくさんあるのだろうと思いますが、変更がなかなかできないが故に、人生の途中で働く時間を短縮せざるを得ない女性医師への差別につながっているのだというのも感じました。

 

ただ、ノウハウがないわけじゃないんですよね。

一番最初にリンクした、女子医大医学部長の唐澤久美子氏の記事に戻りますが、

 

「支援体制」と「ネットワーク」

大学医学部の教授に占める女性の割合が「極めて少ない」中、東京女子医科大学では、女性教授が2018年8月時点で25.6%にのぼる、と唐澤さんは説明する。唐澤さんは、現在は日本で唯一、女性の医学部長でもある。

同大学出身者は「他大学(出身の女性医師)と比較して、離職率もかなり低い」(唐澤さん)。その理由は、「支援体制」と「ネットワーク」だという。

同大学の女性医療人キャリア形成センターでは、他大学出身の離職者を含めた再研修を実施している。

これは出産などで現場を離れた女性医師に、基本3カ月の研修を無償で提供するもの。他に、短時間勤務のサポートや、医大附属保育所のサポートもある。

東京女子医科大学は同級生全員が女性ですし、先輩後輩もすべて女性で、120年の歴史があります。みんなが抱える悩みを共有して、ノウハウを蓄積することができるんです」

「このような体制さえ整えば、性別は関係ありません。女性医師も男性医師も、同じように働けることは、私たちが実証しています」

そのため、この現状を変えるには「社会全体として、整備の遅れてきた女性支援を進めるだけ」「他の国をみれば、子どもを預けるところを作ることでも、だいぶ変わる」と唐澤さんは言い切る。

働き方改革が注目されていますが、これから働き手が足りなくなることが予想される中、合理的に考えて、人口の約半数の女性を活躍させない理由がありませんよね」

「この問題は一大学の問題ではなく、社会としてどんな未来を望むのか、という選択をする時期が来ているということではないでしょうか」

 

ということで、すでに蓄積はある話で。

 

女性差別」というのを考える際に、

 

個人の尊厳を傷つけられた

 

という面と、

 

システムとして整備がされていない

 

という面があると思います。

 

 

おそらく両面からのアプローチが必要なんですが、女性医師が子どもを育てながら働けるシステムを整備したら、その分男性医師も楽になるってことはないんだろうか?

 

あるいは、

 

1000病床あたりの医師の数みたいな基準が足かせになって女性医師が働けるようになったとしても、楽にならないんだろうか?

 女性医師が働けるシステムを作っても楽にならないのだとしたら、女性医師の問題ではなくて、制度上の問題ではないかという気がするんですが。