Cocco Lifestyle blog

日々の「実験」について書いてます。壮大な自由研究帳になりつつあります

発達の可逆性への挑戦

ここ4年ほど、発達のグランドセオリーをベースにした思考実験にいそしんできました。

 

それが一段落して、次に進みそうな雰囲気です。

 

2歳ごろまでの感覚運動期からイメージの発生がどのようにしてできてくるのかについて、自分的には腑に落ちたので、発達段階はもういいかって感じになりました。

 

ピアジェの感覚運動期における第5段階は試行錯誤で、第6段階はイメージや洞察の発生である。

これは何を意味しているかというと、

 

 

ということになっているのではないかと。

 

なんかこれで気が済んだって感じで、次の課題は「遺伝と環境」です。

 

発達とは非可逆的な変化であるというのが大筋の見方です。

しかし、ある時点以降の環境によってはリカバリが可能であるというのもまた事実です。

リカバリが効く」というのは、非可逆的な変化をキャンセルアウトして、発達をやり直すことも含まれることのように思います。

 

 

発達とは、遺伝と環境との相互作用によって実現するというのも大筋の見方です。

これは概ね正しいでしょう。

 

リカバリが効く」というのを考えていくうえで、遺伝と環境の輻輳説を取り上げることは有効ではないかと思います。

輻輳説は、簡単に言えば、遺伝と環境とはどちらも発達に影響するが、その影響は独立であるという考え方です。

現実的には相互作用しているとは思いますが、相互作用した時点で、要因や状態が非常に多くなるので、考えるのがめんどくさくなるきらいがあります。

発達における遺伝と環境の影響は独立であると考えることによって、物事をシンプルに考えることができるのではないかという話です。

 

発達障害と呼ばれる状態があります。

発達障害と健常とはバキっと線引きがされるわけではありません。

緩やかなグラデーション(スペクトラム)を描いてその状態は多様です。

また、早期に療育を受ける機会があれば、出方はマイルドになります。

それとはある意味逆の例で、虐待等による愛着障害により、発達障害と同様の行動パターンが出てくることがあるそうです。

 

そうなると、いわゆる発達障害という状態は何によって形成されていくのか。

先天性の要因はあります。

先天性の要因については、遺伝子レベルで親から受け継いだものと、胎児期の母体の環境の影響で形成されたものとがあるだろうと思いますが、生まれた後に、この2つの要因をどこまで切り分けることができるのか。ということを考えると、多分に環境要因によって発達障害が成り立っていると考えることができるのではないか?

 

発達障害という状態が形成されるときに、

 

  • 遺伝的素因:一次障害としての発達障害
  • 母体の環境及び周産期:二次障害としての発達障害
  • 出生後の家族関係:三次障害としての発達障害
  • 集団生活における人間関係:四次以降障害としての発達障害

 

みたいな感じで分けてみたとして、一次障害レベルでの発達障害の発現というのはどのくらいなのだろうか?

という気がするんですね。

 

また、発達障害という状態を何らかの形で軽減していくという試みもあちこちでなされています。

そのときのアプローチとして、出生後の人間関係、すなわち、家族関係や集団での人間関係を変えていくということも行われます。

 

仮に、出生後の人間関係を全とっかえできるとしたらどうなるだろうか?

もしそういうことが可能だったとしたら、三次障害、四次障害の影響は、もしかしたら相殺可能かもしれません。

こういう考え方も輻輳説といえるのではないかという気がします。

 

すでに起こってしまったことの影響をなかったことにできるのか?

といえば、できる部分とできない部分があるのではないかと思います。

 

たとえば、学校や仕事の環境を全く変えることができたなら?

そして、その中での人間関係が非常にポジティブなものであったとしたならば?

その中で、自分の能力を伸ばすことができたとしたならば?

 

それ以前の環境の中での自己概念と、環境変化後の自己概念とは全く変化を遂げてしまうかもしれません。

そうなったら、もしかしたら、過去の思い出も変わってしまうかもしれません。

(肯定的な現状では過去も肯定的に想起され、悲観的な現状では過去も悲観的に想起されるという研究があります)

 

一方で、これらの環境や人間関係における変化が、生理的な要因にどこまで影響をもたらすのかは分かりません。

たとえば、発達障害においては情報伝達物質のやりとりがあまり上手く行っていないという知見があります(ただし、私が見た論文はマウスが被験体だったので、人間にどこまで当てはまるかは不明ですが)。

 

 

こんな感じで各要因独立で、足し算引き算みたいに何が起こりえて何が起こりえないのかを考えてみてから、遺伝と環境の相互作用に戻すと、リカバリのために何が必要なのかを考えやすくなるなー。

 

そんなことを考えています。