Cocco Lifestyle blog

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柔軟剤の香りの除去 その2 活性炭が有機溶剤を吸着する原理

最近クレイパウダーを使い始め、「吸着」ということばを覚えました。

クレイパウダーの場合は、パックなどで毛穴の汚れや皮脂を吸着する、という使い方をします。

毛穴の汚れや皮脂というのは、そこそこ大きな分子ではないかと思うんですが、それらとクレイ(粘土)の粒子とが何らかの形でくっついて、肌から汚れや皮脂を引き剥がしてくれるということではないかと思いました。

 

それならば、有機溶剤も何かで吸着できるのか?

と思って調べてみたら、できるみたいです。

 

香料は分かりません。

香料を吸着させるというのは、せっかくつけた香りを取り去ることになるので、あんまりやらないんじゃないでしょうか。

ただし、香料と有機溶剤が同じような性質であれば、一緒に吸着できるのでは?と思ったりします。

 

結論からいうと、活性炭が有機溶剤の吸着にはよさげです。

 

原理的に、

みたいです。

取り寄せ中の活性炭の様子については、別の記事でアップしたいと思います。

 

今回は、なぜ有機溶剤の吸着が活性炭なのかについて理解したところを書こうと思います。

 

参考文献:

林克己 (1977 ) 活性炭による有機溶剤含有ガスの処理 環境技術,6(2),119-124.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jriet1972/6/2/6_2_119/_pdf

 

40年前の論文ですが、有機溶剤の回収自体は第一次世界大戦後のヨーロッパにおいて発展してきており、有機溶剤が光化学スモッグの発生原因であることから、環境汚染防止の立場から非常に重要なテーマであるようです(p.119、「1.はじめに」より)。

光化学スモッグというのは、もしかしたら若い人は殆ど知らないかもしれませんが、私が子どもの頃は頻繁に発生し問題になっていました。

 

工業用吸着剤の非極性と極性

化学工業においては、有機溶剤だけではなく、様々な物質を除去回収する必要があります。

除去回収する物質は、非極性(疎水性)と極性(親水性)とに分かれます。

そのため工業用吸着剤も非極性の物質を吸着しやすいものと、極性の物質を吸着しやすいものとに分かれます。

p.119図1によると、活性炭やカーボンは非極性、シリカゼオライトは極性を選択的に吸着します。

 

疎水性というのは水となじみにくい性質があり、親水性というのは水とくっつきやすい性質があります。

もうちょっと分かりやすい理解だと、疎水性の物質は水に溶けない、親水性の物質は水に溶ける、ということで大筋はいけそうかな、という気がします。

 

有機溶剤は非極性(疎水性)です。

なので、極性(親水性)の物質を選択的に吸着するゼオライトよりも、有機溶剤の吸着に適していることになります。

 

その1の最後で、掃除機の紙パックにゼオライトだけじゃなくて活性炭も使ってくれんかなーと書いたのはそういう意味です。

coccolifestyle.hatenadiary.jp

 

工業用吸着剤の表面積

また表1によると、活性炭はほかの吸着剤に比して、非常に大きな表面積をもち、特に微細孔が発達していることがわかる。これは一般に低濃度の物質の吸着に適していることを示しており、低沸点ガス成分の吸着や、比較的高温でのガス吸着にも便利である(p.119)。

 

 表1によると、

活性炭の比表面積は、700~1,500平方メートル/グラムで、シリカゲル、アルミナゲル、活性白土、、モレキュラーシーブズ(ゼオライト系)、モレキュラーゼオライトカーボンは100~750平方メートル/グラムです。

 

また、ウィキペディアによると備長炭の表面積は200~300平方メートル/グラムのようです。

 

普通の備長炭と活性炭の比較についてはこちらが分かりやすかったです。

 

www.man-ei.co.jp

このサイトによると、活性炭は賦活の温度や時間によって、穴の大きさが変わるようです。

また、炭の材料が何か(木質系、椰子系、石炭系)によって性質や用途が変わってくるようです。

 

活性炭は、微細な穴が沢山あいている=表面積が大きい=非極性の物質を吸着する量が多いって理解でいいんでしょうかね。

 

吸着剤の物理吸着(可逆的吸着)と化学吸着(不可逆的吸着)

ここらへんになるとそろそろ理解が怪しくなってきますが、ざっくり言うと、物理的吸着というのは一旦吸着剤に吸着した揮発性の物質が吸着剤が離れて空気中に戻り得る吸着の性質で、化学吸着というのは、吸着剤と吸着された揮発性の物質が化学結合を起こし、脱離(吸着剤から離れて空気中に戻ることだと思われる)しにくい状態になることだと思われます。

現実には、これら(物理吸着と化学吸着)が混合して起こっている。しかし気相における溶剤の吸着では物理吸着の要素が大部分を占めている。吸着はまず単分子層の形成に始まり、多分子層吸着、毛細凝縮へと進んでゆく。

従って吸着現象は活性炭の細孔内に被吸着物質が濃縮される減少とみなすことができる。

 

活性炭は有機溶剤をどの程度吸着してくれるのか

さらに読み進んでいくと、ベンゼントルエンの場合、活性炭は重量の30パーセント超程度の有機溶剤を吸着できますが(吸着量,p.120図4)、飽和量に達した後、脱離が起こり、最終的に活性炭に吸着されたまま残るのはトルエンで23パーセント、ベンゼンで14パーセントです(保持量,p.120図5および表2)。

分子量が多く沸点が高い溶剤のほうが保持量が大きくなるという関係にあるようです。

 

考えたこと:活性炭はどの程度の量の有機溶剤を保持してくれるのか

今回の目的では、有機溶剤を活性炭に吸着させたまま葬り去りたいわけで、吸着量(飽和量)よりも保持量のほうが大事だと思いました。

 

現時点での柔軟剤由来の有機溶剤および香料の供給源(回りくどい言い方ですが)は、

 

  • 柔軟剤を使用した衣類
  • 柔軟剤の原液

 

です。

衣類の方は、洗っても残留するようでなかなか厄介ですが、残留している量はそれほどではないと思います。

 

問題は柔軟剤の原液です。

結構大量に余っているのでどうやって廃棄したものか思案中なのですが、水に流すか紙や布にしみこませて燃やせるゴミに出すくらいしか選択肢がないのではと。

いずれにせよ、ボトルを開けた瞬間、気分が悪くなりそうな気がするんですよね。

なので、廃棄する前に揮発性の物質をある程度まで減らしておけるといいのかなと。

そのためには、どの程度の量の活性炭が必要なんだろうか。

 

活性炭の必要量の計算には、

 

  • 柔軟剤に使われている有機溶剤および香料の保持量(%)
  • 柔軟剤に使われている揮発性の有機溶剤及び香料の含有量(%)

 

が必要になると思います。

 

どれくらいのスピードで揮発するのか、というのも気になります。

 

 

ぶっちゃけ、ダウニーの大容量ボトルの有機溶剤および香料を吸着させるには、どの程度の量の活性炭が必要で、どの程度の期間(活性炭と取替えながら)吸着させたらよいのかが知りたいということなんですけど。

 

1キロ台でいいのか10キロ台になるのかみたいなアバウトな話でいいんですけど。

濃縮タイプか非濃縮タイプかでも違ってきたりするんでしょうけれども。

 

 

しかし、化学系の卒論1本かけそうな気がしますわね。

柔軟剤の有機溶剤を抽出して、どれくらいのスピードでどのくらいの量の有機溶剤を活性炭で保持できるか、みたいな。

命がけですけどねー。気分悪くなっちゃったんで。

 

心理学は飽きたんで、化学に関係する学部(化学か生化学か栄養関係かスポーツ関係)に入りなおしたいと思わなくもない今日この頃。