Cocco Lifestyle blog

日々の「実験」について書いてます。壮大な自由研究帳になりつつあります

大学非常勤講師の任用と出生数減に関するちょっとえげつない想像

非常勤で大学で教えています。

きょうびの大学非常勤講師の新規任用はとても大変やなーと感じます。

何が大変かというと、研究業績と教育業績の両方を求められる。

非常勤やってる側も大変ですけど、非常勤探すほうも大変。

 

 

非常勤やってる側が大変なのが、研究業績と教育業績の両方を求められるし、博士課程の学生がダメなところが殆どになっている点。

 

そうなると何が起こるかというと、若手の非常勤参入が非常に困難になる。

教歴ゼロだと非常勤できないって、最初はみんな教歴ゼロですからねえ。

教歴ゼロでもOKのところにもぐりこんで、次につなげていけるラッキーな人は非常勤できます的な。

 

もうひとつは、ベテラン勢もいつかいなくなるかもしれない可能性が高いこと。

非常勤で研究を続けていける人は何割かだと思います。

研究にはお金と人脈が必要なので、本務校なしでそれらが揃う人ばかりではありません。

研究業績が更新されないと、続けていけないところもあります。

たとえば、学科等の改編で科目担当者の業績を文科省に提出しなければならない場合があります。

あるいは、教職課程の再課程認定などでも書類を提出しなければならない場合があります。

 

そういった場合は、載せられる業績が最近10年だったりします。

なので、昔は研究やってたけど今はやってないって場合は、かなり早くに非常勤職から撤退せざるを得ないケースがあります。

それに、随分前から年限が設けられているし。

 

ということを考えると、大学の非常勤できる人は、入ってこないし、出て行く一方、しかし、非常勤に委託されるコマ数は増える一方、大学の運営って大丈夫?

って思ったりしています。

 

 

が、もしかしたら、大丈夫なのかも?

と思ったのが、2016年の出生数。

 

厚労省の推計で100万人割るかも?

ということがネットで取り上げられていました。

 

 

それを見て、

 

もしかしたら、非常勤、大丈夫なのかも?

と思ったりしました。

 

今非常勤をしている人が永らえる、という意味ではなくて、

大学は非常勤をまかなえるという意味で。

 

ここからちょっとえげつない話になります。

 

出生数の変遷。

出生数|年次統計

このサイトによりますと、今年二十歳になる1997年生まれの出生者数はだいたい120万人。

1989年に初の120万人台に落ち込み、それ以降は1998年まで120万人前後を推移し、1998年に120万人を超えて、ジリジリ減少しながら110万人台の人数で、2005年に110万人を割ってから2011年までは100万人台。

 

 

さらに、

 

平成28年(2016)人口動態統計の年間推計の中のPDF

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei16/dl/2016gaiyou.pdf

 

によると、2015年までは100万人台をキープしていたものの、2016年で100万人を割る公算が強いという。

(昨年の統計が発表されるのは9月ごろらしい)

 

それに対して、5年前の数字になりますが、18歳人口(120万人)の約半数(60万人)が大学に進学している。

大学志願者自体は60数万人で、そのうちの90パーセント以上が大学に入学できている。

現役の大学志願者自体は、出生数がピークの1973年生まれが入学した現役で入学した1992年(平成4年)と、資料が作られた当時の志願者数の割合はともに50%程度。(なんか、表と要約の数値が微妙に合わないのですけど・・・・)

 

それ以外の年の大学志願者数の割合がざっくり50%であると仮定すると、少なく見積もっても、出生数が110万人を割った年が現役で大学に入る時代には、大学志願者数が大学定員をかなり下回るよな。

 

ベネッセによると、2016年度の私立大全体(上記とは母数が違います)の定員充足率は104%。

なのに、44%の私立大学が定員割れ。

都市部は100%を超えているが、地方は既に定員を割っている。

私大の約4割で定員割れ 深刻化する地方・中小私大|ベネッセ教育情報サイト

 

2015年度(多分)の定員充足状況(恐怖!)

私立大学における定員の過不足状況(2015年5月) 数字作ってみた/ウェブリブログ

 

文科省は定員超過したときの私学助成不交付、新設不認可の基準を厳しく。

大学の定員超過抑制のため、私学助成不交付基準を厳格化 | 大学改革を知る | Between情報サイト

 

という状況は既に起こっており、これは、出生数のジリ貧という構造的な問題で生じているが故に、「大学のXデー」はいつか起こるだろうと思われます。

 

と、ここまでは前振り。

 

教育関係に興味のある方は、だいたいの傾向はご存知なのでは。

 

で、次が本番。

 

この記事は、大学の非常勤講師職は、若手の新規参入が非常に難しくなっている、そして、ベテラン勢の継続が難しくなる条件が揃っていることから、非常勤講師人口の減少がいつか大学の運営を危うくする要因になるのではないか?しかし、もしかしたら、それは回避されるのかも?という可能性について、かなり勝手に書いて見るのが目的ですので、そろそろ本題に行ってみたいと思います。

 

以下、さらにえげつなくなりますが、

 

「大学のXデー」が起こるとどうなるか?

それまでお勤めであった教員が、野に放たれることを意味します。

その人たちはどうやって生きていくのか?

 

非常に少数のラッキーな人は、他の大学の教員になれるでしょう。

何割かは、他の道を歩むでしょう。

何割かは、非常勤講師で当面食いつないでいくでしょう。

 

大学で専任教員をしている人は、業績がある人がたくさんいます(そうでない人もたくさんいますが)。

その人たちが非常勤講師になりたいと言ったら、受け容れてくれる大学はたくさんあるでしょう。

 ということで、現在非常勤講師でやっている人がアウトになっても、もしかしたら補充のきく流れになるのかもしれない。

 

これは、「大学のXデー」がいつ来るのか、規模はどの程度のものなのかによって違ってくるだろうし、担当できる科目空いているのかとか、住んでいる地域に需要があるのかとか、いろんな濃淡によって違ってくると思います。

 

それと、この話は、あくまで大学側からみて、非常勤に回したいコマが埋まるかどうかの話であって、個々の先生の幸福とは一切関連しない話だろうと思います。